- 新型コロナウイルス感染が拡大し、皆様も不安な毎日をお過ごしのことと存じます。
- どんな時でも日々の生活で大切なことは、健康体を無理なく維持し、病気に対する正確な情報を得、予防をすること、そして病気に罹患してしまったら、病状や年齢、合併症に応じて適切な治療を早期に開始することです。それは、感染症もがんも同じことです。
- 感染症にならないこと、それは病原体に近づかないことが大原則です。感染制御の専門医が口をすっぱく言っている「3密」を避けることがそれに相当します。
- そして次に大切なのは、病原体に負けない免疫力を保つことです。たとえ感染しても軽症で済むヒトが多いのは、そのヒトが獲得した自然免疫に支えられているからです。睡眠と栄養を十分に取り、好きな読書や漫画でもいいですし、映画やお笑い番組を観るのもよいでしょう、そのヒトなりの解消法でストレスを回避しましょう。
- 当院は町のかかりつけ医として長年地域医療に貢献してまいりました。新型コロナウイルス感染が拡大した現在も同じです。発熱、倦怠感の症状を訴えて来院する患者さますべてが新型コロナウイルス感染患者とは限りません。血液検査とレントゲン検査でもある程度は肺炎の鑑別は可能です。実際、この時期も、何人も細菌性肺炎の患者様を診断し、適切な治療を行い元気に社会復帰されています。同時に診療にあたる医師、看護師、事務といったスタッフは常に新型コロナウイルス感染の危険に晒されていますが、それぞれの立場で医療に関わるものとしてプロ意識と地域医療を守る気概を持って日々の診療を行っています。
- そこで、上記「3密」に関わることなので、患者さまの皆様にお願いがあります。
①数日具合が悪いかたは是非受診してください。受診する場合は、ここ数日間の検温を明示し、マスクをするなどの感染防御策をしてご来院ください。家で様子を見ないでください。風邪か肺炎かの区別は医師でも難しい場合があります。新型コロナウイルス肺炎に限らず、ましてや新生児や高齢者の場合は安全域が狭く、容易に重症化してしまいます。受診して診察したうえで、必要であれば然るべき対応を行います(新生児は小児専門の救急医療機関を受診すべきです)。帰国者・接触者相談センターや保健所の関係者の皆様にご協力を得て、対応を協議して診療を継続しています。さまざまな問い合わせで疲弊しているにも関わらず丁寧に対応して下さり本当に頭が下がる思いです。 - ②元気なかた(慢性的な整形外科的疾患で理学療法目的で定期的に受診している方、感冒初期など市販薬で対応可能な急性疾患含む)は、当分の間はなるべく当院を受診しないでください。当院では①のような発熱の患者様も来院しております。あらかじめ発熱している患者様は隔離して診察しておりますが、新型コロナウイルスに関しては、その限りではなく、残念ながら濃厚接触者の対象となったり、感染のリスクがゼロではありません。
- ③普段は元気ですが、慢性的な持病があり、常備薬が必要な患者さまも、なるべく当院を受診しないでください。現在、そのようなかかりつけの患者様には60日間の長期処方や電話処方で対応しています。ただし、具合が悪い場合は①としてすぐに受診してください。
- ④市販薬や他院の治療で改善不良な症状がある患者様(症状があって初めて内視鏡検査を希望する方を含む)や急性期の患者様で医師から再診指示のある患者様は、ご自身でもマスクをする手指衛生を励行するなど感染防御対策を取り、なるべく混雑時を避けて受診するようにしてください。(土曜日の午前は大変混みあいますので、朝一か平日の夕方(16時過ぎ)がねらい目です。)
- ⑤現在症状も無く、定期的な内視鏡検査が必要な患者様は、日本消化器内視鏡学会から以下のように医療機関に向けて提言がなされました。当院としては、提言前から関わる医師やスタッフの感染防御策を取って対応しており、検査をすでに予約している患者様に関しましてはご本人の延期希望が無ければ、現時点では感染防御策をさらに強化し予定どおり検査を行う方針ですが、国や自治体、学会などから勧告があれば延期等の対応をする場合がありますので、ご了承ください。また、これから内視鏡の検査を考えている方は、最近の症状で「ものが食べられない、吐いてしまう、つかえる」「吐血した」「下血した」「短期間に体重が減った」「冷汗を伴う強い腹痛があった」「タールのような黒い便が出た」「便に赤黒い血液が付着している」「粘血便(イチゴジャムみたいな)」(※排便時の鮮血(排便時出血)は、大小に関わらず肛門出血の場合が多く、緊急性が無いことが多い)「顔色が悪く、立ちくらみがする」などの症状が無ければ、新型コロナウイルス感染が落ち着いてからでも検査は十分かもしれません。判断が難しい場合は、④のように来院して消化器専門医と相談して検査時期を決めましょう。
2020.03.29